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放射線関連

2011年6月 1日 (水)

生茶葉と荒茶の放射線規制値について考察

神奈川県産の生茶葉から放射性セシウムが検出されてから色々騒がれていましたが、今はこういう流れになっているそうです。

アサヒ.コム(2011年6月1日15時2分付け)より
葉から国の基準を超える放射性セシウムが検出された問題で、菅政権は1日までに生の茶葉を乾燥させた荒茶の段階でも検査し基準を超えた場合は出荷停止にする方針を固めた。
http://www.asahi.com/food/news/TKY201106010256.html

厚生労働省と農林水産省で意見が対立していたと報道されていました。
ここで焦点となっていたのは・・・

・荒茶を測定するか否か

荒茶(あらちゃ)とは:収穫、製茶しただけの茶葉(参考HP
市販されているお茶は、荒茶をさらに細かく刻まれたりブレンドされる。

・生茶葉を乾燥させると何故濃度が上がるのか?
重さが生茶の5分の1になるためとニュースでは言われてますが・・・
相対的に濃度が高くなるだけで、放射性セシウムの絶対量は変化しないです。
ちょっと計算してみます。

・・・荒茶の水分量は見つけられなかったので、普通の緑茶で代用します。

食品成分データベースによりますと、緑茶の水分量は
抹茶:5%
玉露:3.1%
煎茶:2.8%

一方、生茶葉の水分量は75-78%だそうです。
http://www.chinesetea-k.com/article/13756815.html

生茶葉の水分量を75%、緑茶の水分量を3%として、グラフにしてみました。

生茶葉(茶成分+水分)を1000gとして描いています。

Photo_3

乾燥しただけでは、単に水分量が減っただけで、茶成分そのものは減っていません。
また、放射性セシウムは茶成分に残ります。そのため、このグラフは茶成分を放射性セシウムと読み替えても大差はありません。

このままでは、放射性セシウムの絶対量は、両者ともに250ベクレルと同じです。
ここで重量単位でラフな計算をすると・・・
生茶葉:250÷1000g(茶成分+水分)=250Bq/kg
緑 茶:250÷257g(茶成分+水分)=970Bq/kg

こういう過程で、荒茶は規制値を超えやすいものになってしまうのです。

(なお、http://www.weblio.jp/cat/food/shkli で他の野菜の水分量を調べてみると、90%くらいの作物が多いようです)


この理屈を説明したところで・・・

お茶の規制値、どうしたらいいでしょうか。

おっと、その前に参考情報として、ここのHPを紹介。
基準値の根拠を追う:放射性セシウムの暫定規制値のケース

まず、生茶葉は500Bq/kgでいいでしょう。

では、荒茶を粉砕ブレンドして販売される普通の緑茶は?
これは、個人的には普通にお茶を入れたときのように、飲み物としてのお茶として測定するのがベターかなと思います。
(飲料と同じ扱いとして200Bq/kg)

こう書くのには一応根拠というか前例がありまして・・・
農薬の個別試験法には、前処理として”検体9.00gを100℃の水540 mLに浸し・・・”のように飲み物としてのお茶として扱う事例があるからです。
例)http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/iyaku/syoku-anzen/zanryu3/2-001.html

ただし、抹茶のように全量摂取するものは食品として扱い、500Bq/kgが妥当と考えます。(これも農薬個別試験法では抹茶とその他お茶では区別されている)

荒茶も、緑茶として書いてきたように扱うのがベターではないかと考えます。


・・・しかし、ここで悩ましいのがお茶葉そのものを食材として料理する事例が近年増えていること。

(例:検索すればいくらでも出てきます)
http://www.fuji.ne.jp/~aitouen/ryouri.html
http://www.city.shizuoka.jp/deps/norin/tea/tea8.html
http://www.maiko.ne.jp/study/column6.htm

昔のようにお茶は飲むものという前提であれば、生茶葉と市場に出る緑茶で扱いを変えた方がいいと思います。

しかし、飲用以外にも、食材として使うとなると・・・
”野菜類”に分類されるのか”その他”になるかはわかりませんが、荒茶も規制値は500Bq/kgにするしかないかな~、というのが最終結論です。

もちろん飲用目的の消費者が多いのはわかっては居ますが、人によっては食材として見ているかもしれませんからね。

となると、荒茶でも生茶葉と同様の規制値という政府の方針は、おかしなことではないのだなぁ・・・。
我ながら書いていて、こういう結論になるとは想像してなかった(^◇^;)

2011年5月15日 (日)

アルギン酸から放射性セシウムが検出された件

聯合ニュースより
韓国の日本産食品輸入85%減、放射線検査強化で
http://japanese.yonhapnews.co.kr/headline/2011/05/12/0200000000AJP20110512001300882.HTML

一部引用
食品医薬品安全庁は、最近日本から輸入されたアルギン酸製品1件から、1キログラム当たり41.9ベクレルの放射性物質セシウムが検出されたと明らかにした。基準値(370ベクレル)は超えていないが、輸入業者が自発的に全量(1000キログラム)を日本に返送することを決めたという。

同庁は現在、携帯用機器で放射性物質露出量を10秒間検査する定性分析を行い、1キログラム当たり5ベクレル以上が検出された場合は輸入品を返送するよう勧めている。

食品添加物のアルギン酸から放射性物質のセシウムが検出!?

今回は、これを少し検証してみたいと思います。

まずは、アルギン酸とは?
既存添加物名簿収載品目リストによる定義では、以下のようになっています。
http://www.ffcr.or.jp/zaidan/MHWinfo.nsf/a11c0985ea3cb14b492567ec002041df/c3f4c591005986d949256fa900252700?OpenDocument

名称:アルギン酸(Alginic acid )
品名/別名:昆布類粘質物
基原・製法・本質:褐藻類(Phaeophyceae)より、温時~熱時水又はアルカリ性水溶液で抽出し、精製して得られたものである。成分はアルギン酸である。
用途:増粘安定剤

褐藻類(Phaeophyceae)の詳細は、とりあえずWikipediaを参照してください。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A4%90%E8%97%BB

製造メーカーによれば、アイスクリーム、ゼリー、パン、乳酸菌飲料、ドレッシング、即席麺、ビールなどさまざまな食品に利用されています。とのこと。
http://www.kimica.jp/alginate/application/

基礎情報はこのくらいにして、なぜアルギン酸から放射性セシウムが検出されたのか?
まあ、これはシンプルに、原料となる海藻由来と考えられます。
(個人的には、元の海藻の放射性セシウムの数値も知りたいところ。セシウムは主に海藻に残るのか、それとも熱水で抽出されるのか。)

海藻の分析結果もいくつか報告されていますので、海藻を原料とするアルギン酸から検出されても、それほど不思議な話ではありません。

農林水産省(セシウムは検出されていない)
http://www.maff.go.jp/j/kanbo/joho/saigai/suisan/kaisou.html

国際環境NGOグリーンピース
(ベクレルの数値は高いが、核種の特定はしていない。この後、核種特定分析結果も報告してもらいたいところ)
http://www.greenpeace.org/japan/ja/news/press/pr20110512/



さて、ここで気になったのが元ニュースの内容。
携帯用の分析機器で、放射性セシウムを特異的に感度良く測定できたっけか・・・?
(携帯用のレベルでは、グリーンピースの報告のように、核種を特定できないはず)

しかも、たったの10秒間の測定で5ベクレル測定するというのは、現在存在している分析機器では不可能な気がする・・・。
(この辺の事情詳しい方がいたら、教えてください)

たぶんですが、元ニュースの内容の一部、特に10秒間検査して~のくだりは記者のミスか勘違いではないのかな~、と邪推します(^◇^;)
(韓国の食品医薬品安全庁のHPには詳しく載っているかもしれませんが、韓国語は読めないので(^◇^;)、これ以上の調査は現時点(5/15)ではできませんでした)
後日、詳細がわかったら追記します。

また、韓国の輸入業者の対応もよろしいものとは思えません。

今回の値は、韓国の規制値である370 Bq/kg未満でありますし、
添加物として使用するということを考えると、アルギン酸由来で放射性物質を大量摂取することはありえないのですから・・・。

(約42Bq/kgのアルギン酸を加工食品中に10%使ったと過程しても4.2Bq/kg。(添加物の使用量としては多めに過程した)

さらに1kgも一度に食べないだろう・・・・と考えていくと、実質無視できるレベルになることが計算できる)

2011年4月21日 (木)

「食品の放射能測定マニュアル」における留意事項について その2:洗い方確定

前にも速報的に書いた「食品の放射能測定マニュアル」における留意事項について

抜粋

野菜等の試料の前処理に際しては、付着している土、埃等に由来する検出を防ぐため、これらを洗浄除去し、検査に供すること。
なお、土、埃等の洗浄除去作業においては、汚染防止の観点から流水で実施するなど十分注意すること。

3月18日時点の情報では洗うことはわかっても、洗い方がわかりませんでした。
洗い方によって、測定結果に大きな差が出るのではという危惧がありました。

平成23年4月20日付の厚生労働省事務連絡にて試料洗浄(土壌除去)標準作業書、
要するに放射線測定をする際の野菜等の洗い方が定義されましたので、報告いたします。

厚生労働省のHPより。(PDFファイルです)
食品の放射性物質に関する検査における試料洗浄(土壌除去)標準作業書

簡単に洗い方を説明します。

・洗う前の前提行為:土壌の付着が多い場合、予め土壌を落とした後に試験室に搬入し、洗浄を実施する。
→これは、出来るだけ土を落としておいて、洗浄過程で確実に土を洗い流すためですね。

キノコ類(しいたけ):
水道水をしみこませたペーパータオルで表面を軽く拭き取る。

→事務連絡での手順2です。現時点ではキノコ類だけが手順2になっています。おそらく、キノコは吸水性が高いからだと思われます。

ほうれん草、キャベツ、トマトなど殆どの野菜:
水道水の流水下で、20 秒程度洗浄する。
その後、付着する水をペーパータオルにより軽く拭き取る。
→こちらが手順1です。このように定義されれば、全国どこの検査機関で洗っても同じような洗い方になると思われます。ペーパータオルってのは、たぶんキムタオル使うところ多いんだろうなぁ(笑)

というわけで、洗い方が確定しました。

今後、別添の表に区分されない野菜等が出てきたら・・・厚生労働省に問い合わせということになるのでしょうね。

おそらく検査機関にはすでに連絡が行っているとは思いますが、検査のこういう情報を一般に流すことも必要だと思うので今回の記事を書きました。

2011年4月 7日 (木)

チェルノブイリ関連の食品放射能検査

今回は福島の原発関係ではないお話を。


食品中の放射能測定は、実は今までも行われています。

旧ソ連原子力発電所事故に係る輸入食品の監視指導について 
(おそらく最新バージョン)

・・・ま、いわゆるチェルノブイリ事故に関連して行われているものです。

きのことか
トナカイ肉とか
ハーブとか
ベリー類とか

を検査しています。

で、暫定限度が370 Bq/Kg(セシウム134及びセシウム137の合計値)

・・・これについての扱い、どうも変わっていないみたいです。

一方、東日本大震災以降に設定された、
放射性セシウムに関する暫定規制値は500Bq/Kg

非常時で暫定的であるとはいえ、日本で規制値が出来たのですから・・・・
輸入製品の暫定限度と、暫定規制値が異なるってのはなんか違和感覚えます。

今後、通知が出て見つけたら、続報UPします。

2011年4月 4日 (月)

小女子から放射性ヨウ素131が検出された件について

小女子とは:
スズキ目 イカナゴ科の魚類。稚魚は地方により「コウナゴ(小女子)」、「シンコ(新子)」と呼び、成長したものを「メロウド(女郎人)」、「フルセ(古背)」と呼ぶ。(Wikipediaより一部引用)

このコウナゴから、放射性ヨウ素が検出されたと報告がありました。

食品中の放射性物質の検査結果について(第24報)

別添2に、4080Bq/kgという数値が記載されています。

2011年4月4日時点で魚類の規制値が無いのは・・・
大塚耕平厚労副大臣は「放射性ヨウ素は半減期が短く、原子力安全委員会は海中で拡散するとの見解を示していた」だそうですが・・・

おそらく、東日本大震災以前には魚類に関する報告事例が皆無だったからではないか、という気もします(^◇^;)

2011.4.5 追記
半減期の長いセシウムについてはずいぶんと調査がされていたようです。
海産生物と放射能

でも、ヨウ素についてはないみたい。

考察をする前に、別紙2の注を読んでみましょう。
注)表中の放射能濃度は、試料採取日時に半減期補正した値。

実測値は、4080ベクレルよりは小さかったようで。

・・・その前に、なんで補正しているんだろう???
と思ったら、ちゃんと緊急時における食品の放射能測定マニュアルの11ページに書かれてましたね。
「ただし、測定から試料採取又は購入時への放射能減衰補正項をfd とする。」
(この後、fdを掛け算する計算式が出てきます)

ということは、この報告値は正しいのか。


では、コウナゴからなぜこんなに高濃度のヨウ素131が検出されたのか?

仮説1.コウナゴは、海藻を餌にしている?
・・・googleで色々検索してみたけれど、よくわからず(^◇^;)
コウナゴ釣りでは、餌なしでも釣れるとか?
(知っている人いたら教えてください)



仮説2.小さいから
個人的には、コウナゴに限らず、シラスとかいったとても小さな魚だと高濃度になる可能性が高い気がします。

理由は・・・小さいから。

小さいからだけでは言葉足らずなので、解説します。

私的な考察で大胆な仮説をとなえます。

他の別添1にある魚と比べて身の部分が少なく、
それゆえ水分量が少ないから。

水分量が少なければ、相対的に放射線の数値が高くなります

個人的には、コウナゴや他の魚の水分量のデータがあれば補正してみたいところです。

水分含量を踏まえて換算してみれば、それほど他の魚と差がない気がするのですが・・・。
誰かそういうデータ、持ってないですかね?(笑)


なので、今回の数値はそういう要素も考慮して判断しないといけないのかな、と思いました。

2011年4月 1日 (金)

牛肉中の放射性物質検査結果のぶれの考察

ニュースでも流れてましたが、
福島県天栄(てんえい)村産の牛肉の緊急モニタリング検査結果が19報ではセシウム(Cs)が暫定基準値を超え、20報ではND、つまり検出されなかったため、厚生労働省は、この牛肉は放射性物質に汚染されていなかったとの認識を示しました。

食品中の放射性物質の検査結果について(第19報)別添10

食品中の放射性物質の検査結果について(第20報)別添5

(厚生労働省のリンク設定しましたが、今後URLが変わる可能性があります)

なぜこのようなことになったのか?
それについて食品の化学検査をやっているものの視点で考察してみたいと思います。

可能性1.コンタミ
標準線源とか他の汚染サンプルが第19報時で牛肉に混ざってしまった。
これが微生物や化学検査なら可能性は十分にあると思うのですが・・・・

今回の放射線測定の場合では、個人的には考えにくいです。
理由は、セシウムを測定するときには、タッパー容器に入れて蓋をしているからです。
緊急時における食品の放射能測定マニュアル、9-10ページ参照)

サンプルごとに別の容器に入れて測定するので、普通に検査していればコンタミを起こす要素が見当たらないのです。
(ただし、検査サンプルを細切りしているときに下の台紙とかを交換しないで作業していればその限りではありませんが・・・さすがにそれはないと信じたいです)

第19報で測定したサンプル(容器に入っている状態)をもう一度測定すればコンタミか否かがはっきりするのですが・・・4/1時点では、まだ測定されていないみたいですね・・・。

可能性2.検査機器の故障
今回のケースでは、他の試料でNDとか5とか11とかの数値出しているのでありえません。

可能性3. 検査データから文書の形になったとき、ピリオド「.」が消えてしまっていた。
数値を見ると、有効数字二桁で成績を出しているようです。ただ、元の検査データは細かい数値が記載されていた可能性があります。
・・・この手の転記ミスは、上記の1,2よりはまだあり得るかな?
でも、他の数値と比べると明らかに高いから、ここだけ数値読み間違えるのは不自然な気もします。

・・・となると、検査サイドのなんらかのミスの可能性が一番高そうです。

そのミスは何かと考えると・・・
データが大量に羅列しているので、1行、あるいは2,3数行読み間違えた。
実際にありえそうなミスです。
でも、一つだけ高い数値を出しているので、今回のケースではむしろここを重点的にチェックしていたと考えられるので、可能性は低いかな?

誤って過去に測定した別のサンプルを測定してしまった。
これは、厚生労働省のページにある福島県産の検査結果データ一通り眺めましたが、該当しそうな数値がなかったのでこれも除外。なんせ、ヨウ素131がNDでしたもんね。

牛肉と思っていた数値が、実は標準線源だった。
個人的には、これが一番可能性高いかな?と思っています。
その根拠は・・・放射能測定法シリーズ 7の64ページ、表6-1の数値です。
「測定日における標準容積線源1個当りの放射能の目安(Bq) Cs137:300

今回の検査機関でどのような標準線源を使っているのかはわかりませんが、
第19報の牛肉でのCs137の測定値がやっぱり300ベクレル。

私的な解釈ですが、只の偶然には思えないのです。
もし標準線源にCs134が200ベクレル前後含まれているとしたら・・・

もしこのミスだとしたら・・・
最後に測定するサンプルが天栄村産の予定で、最後に確認のために標準線源を測定するつもりだったのが、
なんかの拍子で天栄村産のサンプルを測定し忘れて(^◇^;)、標準線源を天栄村産サンプルと勘違いして測定した・・・

最終的にどういう原因で異なる結果になったのかは、後日報告されると思いますが、
個人的には最後に上げた理由ではないかと推測してみました。

最後に・・・個人的には、「分析結果早く出せ!」という圧力というか雰囲気が、こういった事態に結びついた大きな要因の一つではないかと感じます。

もっとも・・・こういう緊急事態でも誤った結果にならないように、
例えばチェックを2,3人で行うとか、
出てきた数値に疑問を抱くとか(今回は肉の他に原乳や魚の結果も出していて、1つだけ高い数値であるので違和感は感じるはず)

もし検査側のミスであったとしたら防止できたはずなので、検査担当者にはより一層注意して測定に取り組んでいただきたいものです。

・・・しかし、エビも分析屋なので、この手のミスが絶対無いとは言い切れません。
他人事とは思わず、私も測定や検査成績を出すときに際して、一層注意して取り組んでいきたい所存であります。

そして、検査側のミスでなかったら・・・暴言吐いてごめんなさい<(_ _)>
正直、このたびの膨大な数の検査には同情しています。疲労も溜まっていて、大変なはず。(原発現場で作業している人達ほどではないにせよ、検査している人達も非常事態のため少人数で頑張っているはず)

ここのブログを見に来てくれた方も、あまり検査サイドを攻めないで欲しいです。
(・・・検証しておいてなんだけど(^◇^;))


※前にも書きましたが、食品の化学分析はやっていても、放射線関係には詳しいわけではないので、間違いがあったら是非指摘をお願いします。
そして、今日はエイプリルフールなので誤りがあっても少しは見逃してください(^◇^;)

2011/04/09追記

福島県天栄村産の牛肉、検査機関ミスの可能性 (YOMIURI ONLINEより)
暫定規制値を超える放射性セシウムがいったん検出されたものの、再検査で放射性物質が検出されなかった福島県天栄村産の牛肉について、厚生労働省は8日、検査に使用した容器を包んでいたビニール袋に同セシウムが付着していたと発表した。

厚生労働省のHP

※ 3月31日福島県での緊急時モニタリングの検査結果において、天栄村の牛肉から暫定規制値を超過する放射性セシウムが検出されました。その後、念のた め行った、同一個体からサンプリングした検体からは放射性セシウムは検出されなかったことから、これらの検査結果について検証を行ったところ、検査機関か らの報告によると測定に使用した容器を包んでいたビニール袋から放射性セシウムが検出されたため、ビニール袋に放射性セシウムの粒子が付着した可能性があ ることが判明しました。

 

・・・セシウムって、そんなにビニールに付着しやすいものなのでしょうか?

付着したといって、500ベクレルまでの濃度になるのでしょうか?

付着していたということ自体はよろしくないのですが・・・
どのくらいの濃度が付着していたのかがわからないと、ビニールに付着したのが原因とは断言できないと思うのですが。

というか、最初に合計510ベクレル検出した肉の再検査結果も知りたい。
半減期が短いヨウ素じゃなくて、この件はセシウムですから、同じサンプルで再測定することができるはずなのですが・・・。

2011年3月27日 (日)

プルトニウムの分析について簡単に語ってみた

どうも、エビでございます。
Twitter上で、なんかプルトニウムについて色々騒がれているな、と思っていたら、以下のニュースがあったのですね。(本日はほとんどTV見ていない)

プルトニウム漏出も調査=土壌採取し分析-東電
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2011032700148
 東京電力は27日、福島第1原発各基の原子炉から、毒性の強いプルトニウムが漏出していないか調べるため、同原発敷地内の土壌を21、22両日に採取したことを明らかにした。
敷地内の5カ所で土壌を採取、日本原子力研究開発機構と日本分析センターに回された。分析は23日から始まり、結論が出るには約1週間かかる。同様の土壌採取は28日からも週2回続けるという。

一言:このときの会見で、東電が分析機器を持っていないことも判明したため、ネット上では非難の嵐で、さらに混乱状態に拍車がかかっているようです。



エビは放射線等の専門家ではなく、詳しくもないので・・・
プルトニウムの人体への影響等については信頼できるであろうページのリンクを貼るに留めます。
原子力・エネルギー教育支援総合サイト「あとみん」より
プルトニウムの人体影響

で、多少わかる内容であるタイトルのプルトニウムの分析について語ります。
これは、今回は土壌中なので、どちらかの方法でやっているものと思われます。

放射能測定法シリーズ28 環境試料中プルトニウム迅速分析法(平成14年)
放射能測定法シリーズ12 プルトニウム分析法(平成2年改)

(今後食品中の測定をする場合は、緊急時における食品の放射能測定マニュアルに従います)

で、シリーズ12の方法である、分離精製した溶液をステンレス鋼板上に蒸着・・・じゃなくて電着させてα線計測するなんて方法は食品分析を生業としている人間には語れないので

今回の測定はシリーズ28 環境試料中プルトニウム迅速分析法で行っているという前提で記述します。
迅速性からいっても、こちらを使っている可能性が高いです。
(シリーズ12方法では前処理だけで30-40時間、シリーズ28方法では測定時間含めて14時間と書かれています)

・・・といっても、この迅速分析法は誘導結合プラズマ質量分析計(ICP-MSという方法で測定します。
分析に多少携わっている方ならおわかりでしょうが、これは金属を分析するのに使用する機器です。
残念ながらエビは、金属の分析といったらナトリウム、カリウム、鉛について乾式分解後、原子吸光計で分析したことしか経験がないので・・・(^◇^;)

簡単に分析の前処理は大変だよ、という趣旨で一般の人にわかりやすい形で書いていきます。
分析がわかる方は、素直にリンク先のシリーズ28を読んでください。

1.マイクロウェーブ高温灰化装置などを使って500℃で100分加熱する。
○マイクロウェーブとは・・・すっごく簡単に言えば、超強力な電子レンジです。
基本的に有機物は分解する必要があるので、まずは灰にしてしまいます。

2.テフロン製の容器に移し、硝酸-フッ化水素酸混合溶液を加え、プルトニウム(Pu-242 標準溶液)も加える。
○ここで出てくるフッ化水素酸はとても強力な酸で毒物であり、ガラスを溶かす性質があります。そのため、酸に侵されないテフロン製の容器が必要になります。Pu-242 標準溶液を加えるのは、このPu-242の量を元に他の放射線プルトニウムを計算するからです。

3.再びマイクロウェーブ分解装置で分解する。(装置にもよるけど、5分から30分くらい)
その後、水で30分間冷ます。
○冷まさないと危険なため検査作業が続けられません。

4-1.さらに別のテフロンビーカーに移した後、溶液をホットプレート上で蒸発濃縮させる。(時間は書いてないけど、最低1時間はかかる気がする)
4-2.移す前のテフロン製容器に再び硝酸-フッ化水素酸混合溶液を加え、3の工程を
もう一度行う。
○テフロン製容器に残っているPuを取り逃さないようにもう一度同じ作業を繰り返すというところ?

5.テフロン製容器の中身を硝酸で洗いながら、先ほどのテフロンビーカーに加える。
○テフロン製容器にPuが残らないように洗います。

6.亜硝酸ナトリウム溶液(20W/V%)5mlを加え、かくはん後、ホットプレート上で約30分間加熱する。この作業をさらに2回行う。
○Puの化学形態をすべてPu4+にする重要な工程。この形態にしておかないと分析できない。

7.硝酸(3十2)を加え液量を30~40mlとした後、ホウ酸0.3gを加え、加熱・溶解後、室温まで放冷する。
○ホウ酸を加えることにより、今後の工程で邪魔になるフッ素(フッ化水素酸由来)の影響を抑えることが出来る。

8.固形物を取り除くためフィルターで濾過する。

・・・ここまでが前処理(その1)です。
これでようやくプルトニウム分析用試料溶液ができました。

次からは、プルトニウムのみをきちんと測定するために、陰イオン交換樹脂カラムの作業があります。

9.先ほど出来上がった試料溶液を陰イオン交換樹脂カラムに通し、硝酸30mLで洗う。
○この工程で主にウランを洗い流します。ウランを洗うのは、ウランの水素化(238UH+)がm/z239(Pu-239)の測定に影響を及ぼすからです。

10.塩酸で洗浄する。
○これはトリウムを洗いながすため。ここも30分。

11.ヨウ化アンモニウム(5W/V%)-塩酸混合溶液(容積比 3:7)を流し、樹脂に吸着したプ
ルトニウムを溶離する。しつこく30分かかる。

12.硝酸を加え、蒸発乾固する。
○突沸を起こしやすいので、時間かかります。たぶん1時間以上。

13.酢酸(4mol/L)10mlを加えて溶かし、これを別の種類の陰イオン交換カラムに通して、酢酸溶液20mLで洗浄する。
○ここで残ったウランを完全に取り除きます。正確には、ウランはイオン交換カラムに残って、プルトニウムだけ下に落ちてきます。

14.ホットプレートで蒸発乾固させて、硝酸(1+13)5mlを加えて溶かす。
これを硝酸(1;13)を用いて25mlメスフラスコに移し、さらに硝酸(1+13)を加えて定容とし、ICP-MS測定試料溶液とする。
○これでようやくICP-MSで分析できる状態になりました。

後はICP-MSで分析するだけです。

長々と書きましたが・・・
プルトニウムの分析をするには、前準備としてこれだけの工程があるということを伝えたかったのです。

単純に考えて、(前処理1)で1日、イオン交換カラムの作業と分析で1日はかかる気がします。現実は、検査上実際にやらないとわからないポイントもあるでしょうから、実際は1,2日の猶予期間もほしいところ。

あとのデータ解析、書類作成等を考えると、検査成績を出すにも1週間は最低レベルとして時間的に欲しい気がします。

これと比べると、放射性ヨウ素やセシウムの前処理はとっても簡単なほうです。
・・・基本的には容器につめるだけですから(^◇^;)
(といっても、実際の分析上の注意点とかを考えると、決して楽な検査ではありません)

2011年3月23日 (水)

「食品の放射能測定マニュアル」における留意事項について

今回は短め。

緊急時における食品の放射能測定マニュアル

これに関する留意事項が翌日の3月18日に通知されてました。

「緊急時における食品の放射能測定マニュアル」に基づく検査における留意事項について

一部抜粋

野菜等の試料の前処理に際しては、付着している土、埃等に由来する検出を防ぐため、

これらを洗浄除去し、検査に供すること。
なお、土、埃等の洗浄除去作業においては、汚染防止の観点から流水で実施するなど十分注意すること。

えーと・・・
測定マニュアルの表とか(たぶんこれ
緊急時におけるガンマ線スペクトル解析法には

作物を水で洗うって書かれてないんですけど、いきなり洗うことが追加されてます。

これって、洗い方によって測定値のバラツキが大きくなると思うのですがねぇ。

まあ、土とかの付着物がついているとそちらの数値を拾って過大に計測される可能性も十分考えられるので、あながち誤った指示でもないのですが・・・

例えばエアーダスターで土を吹き飛ばすとか、
流水で1分間洗い流すとか、

洗い方もしっかり決めておいたほうがよかったと思うのですが・・・。

2011年3月19日 (土)

検出された数値をシーベルトに換算してみた

早速、食品中の放射線の検査結果が報道されました。

福島県産及び茨城県産食品から食品衛生法上の暫定規制値を超過した放射能が検出された件について

福島県の原乳、及び茨城県のほうれん草から暫定基準値を超える測定結果が出ました。
(原乳の最大値:1510 Bq/kg、ほうれん草の最大値:15020 Bq/kg)

実際に摂取したとか、今後はどうなるかについては、下記のTogetterによくまとめられているので、ご参照ください。
TVとかの報道ではどうしても危険だ!という論調に流れやすいので、東大病院放射線治療チームの情報はチェックしたほうがいいです。

東大病院放射線治療チームによる「内部被ばくと福島の"牛乳問題”の解説」

今回の分析結果は、測定単位がBq/kgであるため、人に対する影響を見るにはチト具合が悪いです。

食品安全委員会の資料によれば、
東北地方太平洋沖地震の原子力発電所への影響と食品の安全性について

ベクレル(Bq) :単位時間内に原子核が崩壊する数
シーベルト(Sv):人間が放射線を浴びたときの影響度を表す単位

つまり、ベクレルの数値のままでは、人への影響度は考察できないのです。

なので、食品安全委員会の資料にある換算係数を使って、今回の数値をシーベルト(Sv)に換算してみました。

換算係数(実効線量係数)は、
ヨウ素131の場合では 2.2×10^-5
普通に数値で書けば 0.00022

ですので、今回のケースの最大値で計算してみると・・・

 原 乳  :0.03322(mSv)
ほうれん草:0.33044(mSv)

となります。

そして、実際に食べる(飲む量)も考えなくてはなりません。
ベクレルの単位はBq/kg。
つまり、1kgを食べたときの数値なのです。

原乳もほうれん草も、普通の食事をしていて1kg食べたり飲んだりことはまずありません。


原乳のデータはないので、牛乳で代用します。
牛乳摂取量は、このページによれば、1日あたり約100g。
1kgの十分の一。係数は0.1。

ほうれん草の摂取量は・・・なんかうまくネットの検索で見つけられない(^◇^;)
ここは茨城新聞社のツイートを信用して、1日あたり15gとします。
15g÷1000gで、係数は0.015。

これに、先ほど求めたシーベルトの値に掛けてみます。

 原 乳  :0.03322(mSv)×  0.1=0.003322mSv

ほうれん草:0.33044(mSv)×0.015=0.004975mSv

(正しい摂取量データがわかる方は、各自計算してみてください。また、もっと飲むぞ食べるぞ!という方は係数を各自変更して計算してみてください)

実際の摂取量は、こんな感じになると思われます。
(ただし、放射線の摂取に関する計算がこういう方法でいいのかは少々自信がありません(^◇^;)間違いがありましたら、ご指摘おねがいします。)

この計算した数値と、東北地方太平洋沖地震に伴い発生した原子力発電所被害に関する放射能分野の基礎知識(放射線医学総合研究所)にある参考図を比べると・・・

あとは、各自考えてみて下さい。

2011.3.20追記

Twitter上では、こういう計算も出ていたので参考までに載せておきます。

201103201

上記のTwitterのリンク先ですが、今回の暫定基準値は、ここから来ているようです。

防WG第5-4号
「原子力施設等の防災対策について」(防災指針)改訂案

2011.3.20追記2

分析に関しては、こちらも参照したほうがよさそうです。

緊急時におけるガンマ線スペクトル解析法

2011年3月16日 (水)

都内の環境放射線測定結果

タイトル通りですが、都内の環境放射線測定結果を報告したいと思います。
その前に、まずは公式発表されている場所のリンクを。

東京都健康安全研究センター

・【参考情報】 「身の回りの放射線」

・都内の環境放射線測定結果 

(追記:文部科学省まとめによる全国のデータ

東京都産業労働局

・都内における大気浮遊塵中の核反応生成物の測定結果について (PDFファイル)

そのうち、東京都健康安全研究センターのホームページがアクセス多数のためか非常に接続しづらい状態になっています。

丸ごとデータ移すと著作権とか色々うるさいかもしれないので、加工してグラフにしました。
3月15日の0時から3月16日の19:59まで、1時間ごとの測定値をグラフにしたものです。
(単位:μGy/h(マイクログレイ/時間))

Photo

このグラフで大体の傾向はつかめると思います。

元の表を見ればわかるのですが、補足説明として・・・

・3月以前および3月15日の03:00~03:59 までは0.04(μGy/h)ちょっと切るくらいの数値でした。
・ 04:00~04:59に線量率最大値が0.147(μGy/h)と上昇。その後 06:00~07:59の間は約0.05(μGy/h)と下がり、ほぼ通常通りになった。
・8:00から数値は上がり、10:00~10:59で線量率最大値が0.809(平均値は0.496)(μGy/h)となった。
・19:00~19:59には線量率最大値が0.458(μGy/h)と、グラフ的には2つめの山になった。 
・16日の13:00以降は、線量率最大値は約0.057(μGy/h)で安定して推移している。

エビは放射線放射能関係については詳しくないので、グラフ提示と簡単なコメントのみにさせていただきます。ただし、単位は重要なので、しつこくほとんどの数値につけました。

そのかわりといってはなんですが、放射線関係でよくまとめられているHPのリンクを張って、本日の記事を終了させていただきます。

放射線の話
東北地方太平洋沖地震に伴い発生した原子力発電所被害に関する放射能分野の基礎知識(放射線医学総合研究所)
原発に関するQ&Aまとめ

日本の原発についてのお知らせ;英国大使館(仮訳)


・・・早く普通の食品衛生の記事が書ける状況というか気分にになりたい・・・

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