無料ブログはココログ
フォト

« 2011年4月 | トップページ | 2011年6月 »

2011年5月

2011年5月15日 (日)

アルギン酸から放射性セシウムが検出された件

聯合ニュースより
韓国の日本産食品輸入85%減、放射線検査強化で
http://japanese.yonhapnews.co.kr/headline/2011/05/12/0200000000AJP20110512001300882.HTML

一部引用
食品医薬品安全庁は、最近日本から輸入されたアルギン酸製品1件から、1キログラム当たり41.9ベクレルの放射性物質セシウムが検出されたと明らかにした。基準値(370ベクレル)は超えていないが、輸入業者が自発的に全量(1000キログラム)を日本に返送することを決めたという。

同庁は現在、携帯用機器で放射性物質露出量を10秒間検査する定性分析を行い、1キログラム当たり5ベクレル以上が検出された場合は輸入品を返送するよう勧めている。

食品添加物のアルギン酸から放射性物質のセシウムが検出!?

今回は、これを少し検証してみたいと思います。

まずは、アルギン酸とは?
既存添加物名簿収載品目リストによる定義では、以下のようになっています。
http://www.ffcr.or.jp/zaidan/MHWinfo.nsf/a11c0985ea3cb14b492567ec002041df/c3f4c591005986d949256fa900252700?OpenDocument

名称:アルギン酸(Alginic acid )
品名/別名:昆布類粘質物
基原・製法・本質:褐藻類(Phaeophyceae)より、温時~熱時水又はアルカリ性水溶液で抽出し、精製して得られたものである。成分はアルギン酸である。
用途:増粘安定剤

褐藻類(Phaeophyceae)の詳細は、とりあえずWikipediaを参照してください。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A4%90%E8%97%BB

製造メーカーによれば、アイスクリーム、ゼリー、パン、乳酸菌飲料、ドレッシング、即席麺、ビールなどさまざまな食品に利用されています。とのこと。
http://www.kimica.jp/alginate/application/

基礎情報はこのくらいにして、なぜアルギン酸から放射性セシウムが検出されたのか?
まあ、これはシンプルに、原料となる海藻由来と考えられます。
(個人的には、元の海藻の放射性セシウムの数値も知りたいところ。セシウムは主に海藻に残るのか、それとも熱水で抽出されるのか。)

海藻の分析結果もいくつか報告されていますので、海藻を原料とするアルギン酸から検出されても、それほど不思議な話ではありません。

農林水産省(セシウムは検出されていない)
http://www.maff.go.jp/j/kanbo/joho/saigai/suisan/kaisou.html

国際環境NGOグリーンピース
(ベクレルの数値は高いが、核種の特定はしていない。この後、核種特定分析結果も報告してもらいたいところ)
http://www.greenpeace.org/japan/ja/news/press/pr20110512/



さて、ここで気になったのが元ニュースの内容。
携帯用の分析機器で、放射性セシウムを特異的に感度良く測定できたっけか・・・?
(携帯用のレベルでは、グリーンピースの報告のように、核種を特定できないはず)

しかも、たったの10秒間の測定で5ベクレル測定するというのは、現在存在している分析機器では不可能な気がする・・・。
(この辺の事情詳しい方がいたら、教えてください)

たぶんですが、元ニュースの内容の一部、特に10秒間検査して~のくだりは記者のミスか勘違いではないのかな~、と邪推します(^◇^;)
(韓国の食品医薬品安全庁のHPには詳しく載っているかもしれませんが、韓国語は読めないので(^◇^;)、これ以上の調査は現時点(5/15)ではできませんでした)
後日、詳細がわかったら追記します。

また、韓国の輸入業者の対応もよろしいものとは思えません。

今回の値は、韓国の規制値である370 Bq/kg未満でありますし、
添加物として使用するということを考えると、アルギン酸由来で放射性物質を大量摂取することはありえないのですから・・・。

(約42Bq/kgのアルギン酸を加工食品中に10%使ったと過程しても4.2Bq/kg。(添加物の使用量としては多めに過程した)

さらに1kgも一度に食べないだろう・・・・と考えていくと、実質無視できるレベルになることが計算できる)

2011年5月13日 (金)

食品添加物で生肉を消毒できるか?

皆様ご存じのように、腸管出血性大腸菌による食中毒事件が起き、死亡者まで出る痛ましい事態になっててしまいました。


今回はちょっと趣向を変えて、牛生肉を食品添加物で消毒みたいなことをして、生食出来るかどうかを考えてみたいと思います。

肉の前提。
・生肉のブロック肉の表面には細菌が付着している。
・内臓の中にも細菌は存在している。

食品添加物の前提
・現在の法律では生肉に使えない物もあるが、今回は考慮しない。(あくまで可能性を考える)



ソルビン酸カリウムなどの保存料全般
・・・効果は期待できません(^◇^;)
理由は単純で、保存料は専門用語で言えば静菌作用、つまり細菌の増殖を抑える効果しかないので、元々付着している細菌を殺すことは出来ません。
増えるのを抑えても、O-157やカンピロバクターは少量の菌数で発症するため、解体後にかけてもすでに手遅れです。

俗に言う日持ち向上剤(グリシン、酢酸ナトリウム、カラシ抽出物)は基本的に保存料よりも効果が弱いので、これもダメです。

亜硝酸ナトリウムなどの発色剤
日本では発色剤に分類されていますが、亜硝酸塩がボツリヌス菌などの増殖を抑制することが知られています。
保存料よりはマシな気がしますが・・・やはり抑制なので効果はイマイチかと思われます。
しかも、これに長時間漬け込んでいたらハムもどきになってしまうので、生肉とは呼べない状態になってしまいます(^◇^;)



ある意味本命の殺菌料。各種微生物を殺す効果があります。これが生肉に適用できるか!?

過酸化水素
これの3-5%溶液は、あの消毒薬のオキシドールです。
表面の消毒には効果がありそうです。
血や肉にも反応しますので、ドボンとつけるくらいのそれなりの量が必要になります。
しかも、表面の血に反応して、ブロック肉の表面がしゅわしゅわーと泡立ちます(笑)

ただし、過酸化水素そのものも分解しやすい性質があるので、食肉加工現場で使用するには向いてない気がします。

次亜塩素酸ナトリウム
消毒では定番のものです。この溶液にドボンと漬け込めば、確実にブロック肉の表面に対する消毒効果があると思います。(有機物の塊である肉なので、消毒効果は野菜とかと比べると落ちますが、漬け込むレベルなら表面の消毒はできる・・・と思う)
使用基準として、「最終食品の完成時に分解または除去すること」となっていますが、トリミング処理をし、さらに水で洗えば基準も満たせるかと。
・・・ただし、これは塩素臭と言おうかプールの消毒の臭いがしますので、臭いがしないレベルまでに除去洗浄するのが大変かも。

高度サラシ粉
消毒の原理は次亜塩素酸ナトリウムと同じ。臭いは次亜塩素酸ナトリウムよりは弱いそうなので、こっちの方が現実的かもしれない。

亜塩素酸ナトリウム
これは漂白剤のグループになりますが、同様の塩素系消毒効果があるので。同様に漬け込んだあとにトリミング処理&水洗浄なら可能性アリ。

次亜塩素酸水
電解水ともよばれるもの。次亜塩素酸ナトリウムよりも有効塩素濃度は低いが、溶液が酸性のため活性の高い次亜塩素酸の形で存在しているため、同じ有効塩素濃度の次亜塩素酸ナトリウムよりも殺菌活性が高いという特徴があります。
これが塩素系消毒の殺菌料の中では一番使用しやすい気がする。

というわけで、食品添加物のうち塩素系の殺菌料なら、ブロック肉を漬け込んだ後、トリミング処理(&水洗浄)すれば表面の消毒はできるかも?、という可能性を示唆しました。トリミング処理すれば、中身は生のままのはずですし。


・・・まあ、わざわざ考察しなくても、エタノール(いわゆるアルコール)で殺菌料と同じことが出来ますけどね(^◇^;)
スプレーではあまり効果がないでしょうけれど、ある程度の時間漬け込めば消毒効果はあると思われます。

さらに言えば、ここに取り上げられていますが、
食の安全情報blog 笛を吹くということ ~TBSラジオdig 食中毒
http://d.hatena.ne.jp/ohira-y/20110509

表面を焼く(いわゆる)たたき状態にして表面の菌を殺してからトリミングする

こちらの方法の方が効果は高いでしょうね。

ここで注意。
あくまで消毒できるのはブロック肉の表面だけです。
レバーなどの内蔵肉の内部には効果がありません
また、効果があるほど漬け込んだならば、もはや生肉とは呼べない状態になります。(というか食べられない状態になりそう・・・)


注)次亜塩素酸水などで消毒できるとの可能性を書きましたが、実際にこのような作業を法的に行っていいかどうかは別問題なので、もしやってみようと思う方がいたならば、厚生労働省や都道府県、保健所にお問い合わせください。

2011年5月 7日 (土)

用途による分類

添加物のお話に戻りまして、続いては用途による分類を。

まずは厚生労働省行政情報のリンクから。
食品衛生法に基づく添加物の表示等について 

そのうち、用途名を併記する必要があるものの表 別紙3添加物のうち用途名併記を要するものの例示 

一括名で表示できるものの表 別紙4 各一括名の定義及びその添加物の範囲 

また、使用目的による分類は、上野製薬株式会社のこのHPが比較的わかりやすい。
【1】食品添加物の種類・用途(リンク先にあるPDF参照のこと)

このリンク先を見てもらえば、すべてわかるはず・・・だと思ってた。

しかし、このリンク先だとまだ不十分なことに気がついてしまった。
いわゆる加工助剤に分類される添加物の用途が、どのような用途で使用されているのかが上記のリンクには記載されていないのです。

というわけで、ネット上にはすべてを整理して書かれているHPが残念ながら見当たらなかったので・・・

学会誌である食品衛生学雑誌の第1号の後半部に必ずついている「食品・食品添加物等規格基準(抄)」から用途名を抜き出して書いていきます。
(学会員で無い方も、食品衛生学会に参加すれば、学会誌とは別に製本された「食品・食品添加物等規格基準(抄)」を購入することが出来ます)

用途名を併記するもの(赤で表示

甘味料
着色料
保存料
増粘剤(安定剤・ゲル化剤又は糊料)
酸化防止剤
発色剤
漂白剤
防かび剤又は防ばい剤



一括名で表示できるもの(青で表示

イーストフード
ガムベース
かんすい
苦味料等
酵素
香料
酸味料
チューインガム軟化剤
調味料
豆腐用凝固剤
乳化剤
pH調整剤
膨張剤



表示が免除されるもの(緑で表示

栄養強化剤
製造用剤




その他(他の用途と被ったり、場合によってはキャリーオーバー加工助剤となったりするものも)

消泡剤
噴射剤
殺菌料
小麦粉処理剤
発酵調整剤
結着剤
固結防止剤
被膜剤
表面処理剤
品質改良剤
品質保持剤
色調調整剤
醸造用剤
防虫剤
保水乳化安定剤
離型剤


改めて調べて思った。食品添加物の用途って、こんなにあるんだ・・・。
しかも、製造用剤については、細かい用途がまた別にあるんだよねぇ。
(ろ過剤、ろ過助剤、抽出溶剤、吸着剤、消臭剤、脱色剤、還元剤などなど・・・)

« 2011年4月 | トップページ | 2011年6月 »

最近のトラックバック