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2011年7月 2日 (土)

ブログ、移行しました

思うことがあって、はてなダイアリーの方へ移行しました。

蛭子ミコト:ブログ版
http://d.hatena.ne.jp/ebi_j9/

お手数ですが、ブックマーク・お気に入りに入れて頂いている方は、変更をお願いします。

また、ここのブログは、食品添加物各論とでもいう感じの内容に変更していく予定です。

なお、今まで書いた記事は残しますので、ご安心ください。

2011年6月26日 (日)

もしも食品添加物が完全使用禁止になったら

このネタ、昔HP(第十三回)のほうで少しやりましたが・・・

Twitterのちょっとしたやりとりから、この内容をリニューアルしようかと思い立ちました。
「無添加調理/当社での製造工程では添加物を使用しておりません」
こういうことを書いているメーカーがありますが・・・
こんな文言が宣伝文句になっている現状は、決してよろしいものではありません。

食品安全委員会のこのファイルには、以下のように書かれています。
http://www.fsc.go.jp/monitor/1801moni-saisyuhoukoku.pdf

”「無添加」である旨の表示については、製造業者等の任意の表示ではありますが、

消費者が誤認を生ずることのない表示が求められています。”

・・・正直言って、誤解を生じるような表示例しか見ないと感じるのですが、気のせいでしょうか・・・?

そこで、タイトルのとおり、もしも食品添加物が完全使用禁止になったらどうなるかを考えてみました。

前提条件
○食品添加物に分類される物はすべて使用してはいけない。(製造用剤含む)
○キャリーオーバーが起きないよう、大本から厳しくチェックしていきます。
○当然ながらすべての食品、料理、調理法を調べることは無理なので、調べられたものに限定しています。
○極端な例を示しています。

1.添加物がないと絶対作れない食品が消える
食品添加物を必ず使用する食品があります。これらの食品は存在自体が抹消されることになります。例えば・・・

豆腐:いくら天然由来とか自然とか謳っても、にがりは凝固剤という添加物なので、使えません。よって、豆腐を作ることは不可能になります。

ラーメン:ラーメンのあの色や歯ごたえは、かんすい(鹹水)のおかげなのですが、かんすいは食品添加物なので、ラーメンは食べられないことに・・・。

こんにゃく炭酸ナトリウム炭酸水素ナトリウム(重曹)、水酸化カルシウムなどの凝固剤が使えないので作れません。
一応、灰で作れるけど・・・これは、厳密にいうと現状の法律で添加物としては認められないと思うのです。添加物として使用できない物を使っちゃいけないと思うんだ。
参考 http://d.hatena.ne.jp/ohira-y/20090418

・赤こんにゃく:三二酸化鉄という添加物を使っているのでOUTです。

ガム:チューインガムは、チクルなどのガムベースという物が基本になっています。ガムベースはすべて添加物なので、これも無くなります。

・コーラ、サイダーなどの炭酸飲料:炭酸の元である二酸化炭素が使えないのでこれも作れません。二酸化炭素も食品添加物です。

・ナスの漬物:漬物をつけるとき、なすの紫色が鮮やかになるときに使うミョウバンが使えないので、これも消えます。なお、ぬか床に古釘を入れるという手法も、鉄自身が食品添加物なので、代替手法になりません。

ここまでは命に関わる問題まではいかないのですが・・・

粉ミルク:ここに原材料名が書いてありますが、
雪印メグミルクのHPより
http://www.snowbaby.jp/pure/

例えばL-アルギニン等のアミノ酸、ビタミンC等のビタミン類、クエン酸第一鉄ナトリウム等のミネラル強化剤、これらはすべて添加物です。
赤ちゃんにとって、とても大切な栄養素を加えることができなくなるのです。
添加物を完全禁止にすると、赤ちゃんを無事に育てられない恐れが出てくるのです。
あと、ベビーフードも同様に栄養補充のための添加物はよく使われていますので、粉ミルクと同様です。

2.添加物がないと作るのが困難な食品
ここでの困難は、大量に製造するのが難しくなる、簡単に作ることができなくなる、品質が悪くなるなど、現在の添加物使用時より悪くなるものを意図しています。
いくつかあげてみると・・・

砂糖
とりあえず、三井製糖のHPより、砂糖の作り方
http://www.mitsui-sugar.co.jp/enjoy/dictionary/making01.html
ここの製造工程みると、”石灰””炭酸ガス””活性炭”を使用していることがわかります。この3つは添加物なので、この方法で作ることはできません。
一応古典的な方法で作ることはできますが・・・。


カネダ株式会社のHPより
http://pci.kaneda.co.jp/contents/introduce/process/
抽出溶媒としてのヘキサン、脱酸処理の水酸化ナトリウム(苛性ソーダ)、色素を取り除く活性白土が使用できません。
特にヘキサンがないと生産量が落ちるので、価格が上がるでしょうね。

個人的には、脱酸工程でのアルカリ処理でアフラトキシンなどのカビ毒が分解されることを強調しておきます。(アフラトキシンが分解除去される希少な例)
http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/shokuhin/kabi/kabidoqa.html

パン、ケーキなど
要するにふくらし粉(=膨張剤)が使用できないので、現在のように簡単に購入できる物では無くなるでしょうし、手作りする人の中には困る人もいるのではないでしょうか?
また、品質向上剤イーストフードも使えないので、販売するにも現在の値段ではペイできないでしょうね・・・。

嚥下補助食品:例えばこんなの。http://www.siraho.jp/products/toromi.html
増粘多糖類が食品添加物に当たるので、この製品はダメになります。
これは、一応デンプンや寒天で作れるとはいえ、製品によっては難しいものもあるでしょうね。

ビール、日本酒など
お酒そのものは添加物無しで作れますが、酵母などを取り除くためにろ過をしますが、その際によく使われている珪藻土などのろ過助剤が使用できなくなります。
ろ過助剤の例
http://www.showa-chemical.co.jp/business/pearlite/roka.html

濁ったビールとかもあるので必須ではないのですが・・・
ビールはクリアなものの方が私は好きですねぇ(笑)

ワイン亜硫酸塩が使えないと、何年もののワインは作れません。(何年も持ちません)無添加のワインは新鮮さを味わう物で、寝かせてから飲むワインとは別物と考えた方がいいでしょう。

・調味料:醤油とか味噌とかは、江戸時代に戻った製造方法のものしか作れないでしょうね。あと使える調味料って、コショウとマヨネーズとタバスコくらい?

3.食中毒の恐れが出てくるもの

生野菜殺菌料の次亜塩素酸ナトリウムや次亜塩素酸水が使えなくなると、O-157を代表とする腸管出血性大腸菌の感染例がさらに増えてしまうでしょうねぇ・・・。
なお、野菜と大腸菌汚染については、FOOCOM.NETのこのページが役立つかと。
http://www.foocom.net/column/editor/4356/

保存料や日持ち向上剤を使っている食品全般:消費期限が今よりも短くなるのですから、当然食中毒が増えることは推測できます。

蛇足ですが、水産練り製品市場で保存料の使用量が1 年で5%減少すると消費者余剰が189億円減少する(社会(消費者)が189億円の経済損失する)との報告もあるようです。
http://www.ueno-fc.co.jp/foodsafety/pdf/hozonryo_gensho.pdf

油の酸化:現在使用している油では通常起こらないのですが、油の酸化も健康被害を起こすときがあります。これを防ぐ酸化防止剤が使えないのは痛いなぁ・・・。
http://www.tcn.zaq.ne.jp/kanno/public_html/oil.htm

多少極端に書きましたが、これでもまだほんの一部だと思います。

食品添加物を完全に使用禁止にしたら、食に関して様々なところで不利益を招き、場合によっては人の命に関わるということが言えるでしょう。

無添加の方がいいとか、食品添加物はない方がいいと思う前に・・・

食品添加物がもし無くなったらどうなるのだろう?と考え、調べてみてはいかがでしょうか。


最後に、イタリアでの実例が紹介されている記事のリンクを貼っておきます。

FOODCOM.NET FoodScience過去記事 > うねやま研究室
トランス脂肪酸の議論の前に、リスク評価の基礎データの集積を
一部引用
”ほぼすべての食品添加物を禁止したため「伝統的イタリア料理」すらレストランでは作れなくなってしまうという事態になっているようです。”
http://www.foocom.net/fs/uneyama/2553/

2011年6月 1日 (水)

生茶葉と荒茶の放射線規制値について考察

神奈川県産の生茶葉から放射性セシウムが検出されてから色々騒がれていましたが、今はこういう流れになっているそうです。

アサヒ.コム(2011年6月1日15時2分付け)より
葉から国の基準を超える放射性セシウムが検出された問題で、菅政権は1日までに生の茶葉を乾燥させた荒茶の段階でも検査し基準を超えた場合は出荷停止にする方針を固めた。
http://www.asahi.com/food/news/TKY201106010256.html

厚生労働省と農林水産省で意見が対立していたと報道されていました。
ここで焦点となっていたのは・・・

・荒茶を測定するか否か

荒茶(あらちゃ)とは:収穫、製茶しただけの茶葉(参考HP
市販されているお茶は、荒茶をさらに細かく刻まれたりブレンドされる。

・生茶葉を乾燥させると何故濃度が上がるのか?
重さが生茶の5分の1になるためとニュースでは言われてますが・・・
相対的に濃度が高くなるだけで、放射性セシウムの絶対量は変化しないです。
ちょっと計算してみます。

・・・荒茶の水分量は見つけられなかったので、普通の緑茶で代用します。

食品成分データベースによりますと、緑茶の水分量は
抹茶:5%
玉露:3.1%
煎茶:2.8%

一方、生茶葉の水分量は75-78%だそうです。
http://www.chinesetea-k.com/article/13756815.html

生茶葉の水分量を75%、緑茶の水分量を3%として、グラフにしてみました。

生茶葉(茶成分+水分)を1000gとして描いています。

Photo_3

乾燥しただけでは、単に水分量が減っただけで、茶成分そのものは減っていません。
また、放射性セシウムは茶成分に残ります。そのため、このグラフは茶成分を放射性セシウムと読み替えても大差はありません。

このままでは、放射性セシウムの絶対量は、両者ともに250ベクレルと同じです。
ここで重量単位でラフな計算をすると・・・
生茶葉:250÷1000g(茶成分+水分)=250Bq/kg
緑 茶:250÷257g(茶成分+水分)=970Bq/kg

こういう過程で、荒茶は規制値を超えやすいものになってしまうのです。

(なお、http://www.weblio.jp/cat/food/shkli で他の野菜の水分量を調べてみると、90%くらいの作物が多いようです)


この理屈を説明したところで・・・

お茶の規制値、どうしたらいいでしょうか。

おっと、その前に参考情報として、ここのHPを紹介。
基準値の根拠を追う:放射性セシウムの暫定規制値のケース

まず、生茶葉は500Bq/kgでいいでしょう。

では、荒茶を粉砕ブレンドして販売される普通の緑茶は?
これは、個人的には普通にお茶を入れたときのように、飲み物としてのお茶として測定するのがベターかなと思います。
(飲料と同じ扱いとして200Bq/kg)

こう書くのには一応根拠というか前例がありまして・・・
農薬の個別試験法には、前処理として”検体9.00gを100℃の水540 mLに浸し・・・”のように飲み物としてのお茶として扱う事例があるからです。
例)http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/iyaku/syoku-anzen/zanryu3/2-001.html

ただし、抹茶のように全量摂取するものは食品として扱い、500Bq/kgが妥当と考えます。(これも農薬個別試験法では抹茶とその他お茶では区別されている)

荒茶も、緑茶として書いてきたように扱うのがベターではないかと考えます。


・・・しかし、ここで悩ましいのがお茶葉そのものを食材として料理する事例が近年増えていること。

(例:検索すればいくらでも出てきます)
http://www.fuji.ne.jp/~aitouen/ryouri.html
http://www.city.shizuoka.jp/deps/norin/tea/tea8.html
http://www.maiko.ne.jp/study/column6.htm

昔のようにお茶は飲むものという前提であれば、生茶葉と市場に出る緑茶で扱いを変えた方がいいと思います。

しかし、飲用以外にも、食材として使うとなると・・・
”野菜類”に分類されるのか”その他”になるかはわかりませんが、荒茶も規制値は500Bq/kgにするしかないかな~、というのが最終結論です。

もちろん飲用目的の消費者が多いのはわかっては居ますが、人によっては食材として見ているかもしれませんからね。

となると、荒茶でも生茶葉と同様の規制値という政府の方針は、おかしなことではないのだなぁ・・・。
我ながら書いていて、こういう結論になるとは想像してなかった(^◇^;)

2011年5月15日 (日)

アルギン酸から放射性セシウムが検出された件

聯合ニュースより
韓国の日本産食品輸入85%減、放射線検査強化で
http://japanese.yonhapnews.co.kr/headline/2011/05/12/0200000000AJP20110512001300882.HTML

一部引用
食品医薬品安全庁は、最近日本から輸入されたアルギン酸製品1件から、1キログラム当たり41.9ベクレルの放射性物質セシウムが検出されたと明らかにした。基準値(370ベクレル)は超えていないが、輸入業者が自発的に全量(1000キログラム)を日本に返送することを決めたという。

同庁は現在、携帯用機器で放射性物質露出量を10秒間検査する定性分析を行い、1キログラム当たり5ベクレル以上が検出された場合は輸入品を返送するよう勧めている。

食品添加物のアルギン酸から放射性物質のセシウムが検出!?

今回は、これを少し検証してみたいと思います。

まずは、アルギン酸とは?
既存添加物名簿収載品目リストによる定義では、以下のようになっています。
http://www.ffcr.or.jp/zaidan/MHWinfo.nsf/a11c0985ea3cb14b492567ec002041df/c3f4c591005986d949256fa900252700?OpenDocument

名称:アルギン酸(Alginic acid )
品名/別名:昆布類粘質物
基原・製法・本質:褐藻類(Phaeophyceae)より、温時~熱時水又はアルカリ性水溶液で抽出し、精製して得られたものである。成分はアルギン酸である。
用途:増粘安定剤

褐藻類(Phaeophyceae)の詳細は、とりあえずWikipediaを参照してください。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A4%90%E8%97%BB

製造メーカーによれば、アイスクリーム、ゼリー、パン、乳酸菌飲料、ドレッシング、即席麺、ビールなどさまざまな食品に利用されています。とのこと。
http://www.kimica.jp/alginate/application/

基礎情報はこのくらいにして、なぜアルギン酸から放射性セシウムが検出されたのか?
まあ、これはシンプルに、原料となる海藻由来と考えられます。
(個人的には、元の海藻の放射性セシウムの数値も知りたいところ。セシウムは主に海藻に残るのか、それとも熱水で抽出されるのか。)

海藻の分析結果もいくつか報告されていますので、海藻を原料とするアルギン酸から検出されても、それほど不思議な話ではありません。

農林水産省(セシウムは検出されていない)
http://www.maff.go.jp/j/kanbo/joho/saigai/suisan/kaisou.html

国際環境NGOグリーンピース
(ベクレルの数値は高いが、核種の特定はしていない。この後、核種特定分析結果も報告してもらいたいところ)
http://www.greenpeace.org/japan/ja/news/press/pr20110512/



さて、ここで気になったのが元ニュースの内容。
携帯用の分析機器で、放射性セシウムを特異的に感度良く測定できたっけか・・・?
(携帯用のレベルでは、グリーンピースの報告のように、核種を特定できないはず)

しかも、たったの10秒間の測定で5ベクレル測定するというのは、現在存在している分析機器では不可能な気がする・・・。
(この辺の事情詳しい方がいたら、教えてください)

たぶんですが、元ニュースの内容の一部、特に10秒間検査して~のくだりは記者のミスか勘違いではないのかな~、と邪推します(^◇^;)
(韓国の食品医薬品安全庁のHPには詳しく載っているかもしれませんが、韓国語は読めないので(^◇^;)、これ以上の調査は現時点(5/15)ではできませんでした)
後日、詳細がわかったら追記します。

また、韓国の輸入業者の対応もよろしいものとは思えません。

今回の値は、韓国の規制値である370 Bq/kg未満でありますし、
添加物として使用するということを考えると、アルギン酸由来で放射性物質を大量摂取することはありえないのですから・・・。

(約42Bq/kgのアルギン酸を加工食品中に10%使ったと過程しても4.2Bq/kg。(添加物の使用量としては多めに過程した)

さらに1kgも一度に食べないだろう・・・・と考えていくと、実質無視できるレベルになることが計算できる)

2011年5月13日 (金)

食品添加物で生肉を消毒できるか?

皆様ご存じのように、腸管出血性大腸菌による食中毒事件が起き、死亡者まで出る痛ましい事態になっててしまいました。


今回はちょっと趣向を変えて、牛生肉を食品添加物で消毒みたいなことをして、生食出来るかどうかを考えてみたいと思います。

肉の前提。
・生肉のブロック肉の表面には細菌が付着している。
・内臓の中にも細菌は存在している。

食品添加物の前提
・現在の法律では生肉に使えない物もあるが、今回は考慮しない。(あくまで可能性を考える)



ソルビン酸カリウムなどの保存料全般
・・・効果は期待できません(^◇^;)
理由は単純で、保存料は専門用語で言えば静菌作用、つまり細菌の増殖を抑える効果しかないので、元々付着している細菌を殺すことは出来ません。
増えるのを抑えても、O-157やカンピロバクターは少量の菌数で発症するため、解体後にかけてもすでに手遅れです。

俗に言う日持ち向上剤(グリシン、酢酸ナトリウム、カラシ抽出物)は基本的に保存料よりも効果が弱いので、これもダメです。

亜硝酸ナトリウムなどの発色剤
日本では発色剤に分類されていますが、亜硝酸塩がボツリヌス菌などの増殖を抑制することが知られています。
保存料よりはマシな気がしますが・・・やはり抑制なので効果はイマイチかと思われます。
しかも、これに長時間漬け込んでいたらハムもどきになってしまうので、生肉とは呼べない状態になってしまいます(^◇^;)



ある意味本命の殺菌料。各種微生物を殺す効果があります。これが生肉に適用できるか!?

過酸化水素
これの3-5%溶液は、あの消毒薬のオキシドールです。
表面の消毒には効果がありそうです。
血や肉にも反応しますので、ドボンとつけるくらいのそれなりの量が必要になります。
しかも、表面の血に反応して、ブロック肉の表面がしゅわしゅわーと泡立ちます(笑)

ただし、過酸化水素そのものも分解しやすい性質があるので、食肉加工現場で使用するには向いてない気がします。

次亜塩素酸ナトリウム
消毒では定番のものです。この溶液にドボンと漬け込めば、確実にブロック肉の表面に対する消毒効果があると思います。(有機物の塊である肉なので、消毒効果は野菜とかと比べると落ちますが、漬け込むレベルなら表面の消毒はできる・・・と思う)
使用基準として、「最終食品の完成時に分解または除去すること」となっていますが、トリミング処理をし、さらに水で洗えば基準も満たせるかと。
・・・ただし、これは塩素臭と言おうかプールの消毒の臭いがしますので、臭いがしないレベルまでに除去洗浄するのが大変かも。

高度サラシ粉
消毒の原理は次亜塩素酸ナトリウムと同じ。臭いは次亜塩素酸ナトリウムよりは弱いそうなので、こっちの方が現実的かもしれない。

亜塩素酸ナトリウム
これは漂白剤のグループになりますが、同様の塩素系消毒効果があるので。同様に漬け込んだあとにトリミング処理&水洗浄なら可能性アリ。

次亜塩素酸水
電解水ともよばれるもの。次亜塩素酸ナトリウムよりも有効塩素濃度は低いが、溶液が酸性のため活性の高い次亜塩素酸の形で存在しているため、同じ有効塩素濃度の次亜塩素酸ナトリウムよりも殺菌活性が高いという特徴があります。
これが塩素系消毒の殺菌料の中では一番使用しやすい気がする。

というわけで、食品添加物のうち塩素系の殺菌料なら、ブロック肉を漬け込んだ後、トリミング処理(&水洗浄)すれば表面の消毒はできるかも?、という可能性を示唆しました。トリミング処理すれば、中身は生のままのはずですし。


・・・まあ、わざわざ考察しなくても、エタノール(いわゆるアルコール)で殺菌料と同じことが出来ますけどね(^◇^;)
スプレーではあまり効果がないでしょうけれど、ある程度の時間漬け込めば消毒効果はあると思われます。

さらに言えば、ここに取り上げられていますが、
食の安全情報blog 笛を吹くということ ~TBSラジオdig 食中毒
http://d.hatena.ne.jp/ohira-y/20110509

表面を焼く(いわゆる)たたき状態にして表面の菌を殺してからトリミングする

こちらの方法の方が効果は高いでしょうね。

ここで注意。
あくまで消毒できるのはブロック肉の表面だけです。
レバーなどの内蔵肉の内部には効果がありません
また、効果があるほど漬け込んだならば、もはや生肉とは呼べない状態になります。(というか食べられない状態になりそう・・・)


注)次亜塩素酸水などで消毒できるとの可能性を書きましたが、実際にこのような作業を法的に行っていいかどうかは別問題なので、もしやってみようと思う方がいたならば、厚生労働省や都道府県、保健所にお問い合わせください。

2011年5月 7日 (土)

用途による分類

添加物のお話に戻りまして、続いては用途による分類を。

まずは厚生労働省行政情報のリンクから。
食品衛生法に基づく添加物の表示等について 

そのうち、用途名を併記する必要があるものの表 別紙3添加物のうち用途名併記を要するものの例示 

一括名で表示できるものの表 別紙4 各一括名の定義及びその添加物の範囲 

また、使用目的による分類は、上野製薬株式会社のこのHPが比較的わかりやすい。
【1】食品添加物の種類・用途(リンク先にあるPDF参照のこと)

このリンク先を見てもらえば、すべてわかるはず・・・だと思ってた。

しかし、このリンク先だとまだ不十分なことに気がついてしまった。
いわゆる加工助剤に分類される添加物の用途が、どのような用途で使用されているのかが上記のリンクには記載されていないのです。

というわけで、ネット上にはすべてを整理して書かれているHPが残念ながら見当たらなかったので・・・

学会誌である食品衛生学雑誌の第1号の後半部に必ずついている「食品・食品添加物等規格基準(抄)」から用途名を抜き出して書いていきます。
(学会員で無い方も、食品衛生学会に参加すれば、学会誌とは別に製本された「食品・食品添加物等規格基準(抄)」を購入することが出来ます)

用途名を併記するもの(赤で表示

甘味料
着色料
保存料
増粘剤(安定剤・ゲル化剤又は糊料)
酸化防止剤
発色剤
漂白剤
防かび剤又は防ばい剤



一括名で表示できるもの(青で表示

イーストフード
ガムベース
かんすい
苦味料等
酵素
香料
酸味料
チューインガム軟化剤
調味料
豆腐用凝固剤
乳化剤
pH調整剤
膨張剤



表示が免除されるもの(緑で表示

栄養強化剤
製造用剤




その他(他の用途と被ったり、場合によってはキャリーオーバー加工助剤となったりするものも)

消泡剤
噴射剤
殺菌料
小麦粉処理剤
発酵調整剤
結着剤
固結防止剤
被膜剤
表面処理剤
品質改良剤
品質保持剤
色調調整剤
醸造用剤
防虫剤
保水乳化安定剤
離型剤


改めて調べて思った。食品添加物の用途って、こんなにあるんだ・・・。
しかも、製造用剤については、細かい用途がまた別にあるんだよねぇ。
(ろ過剤、ろ過助剤、抽出溶剤、吸着剤、消臭剤、脱色剤、還元剤などなど・・・)

2011年4月29日 (金)

アルバム作ってみた

Twitterでつぶやきましたが、根津神社のつつじまつりへ行ってきました。
目的は、写真撮影。

とりあえず、左サイドバーの下にアルバムのリンクがありますので、
写真やツツジの花に興味のある方はどうぞ。

下にスクロースするのが面倒くさい方のために、アルバムのリンク

http://e-bi.cocolog-nifty.com/photos/nedu2011/index.html

※たまにアルバムは増えていく予定です。

2011年4月21日 (木)

「食品の放射能測定マニュアル」における留意事項について その2:洗い方確定

前にも速報的に書いた「食品の放射能測定マニュアル」における留意事項について

抜粋

野菜等の試料の前処理に際しては、付着している土、埃等に由来する検出を防ぐため、これらを洗浄除去し、検査に供すること。
なお、土、埃等の洗浄除去作業においては、汚染防止の観点から流水で実施するなど十分注意すること。

3月18日時点の情報では洗うことはわかっても、洗い方がわかりませんでした。
洗い方によって、測定結果に大きな差が出るのではという危惧がありました。

平成23年4月20日付の厚生労働省事務連絡にて試料洗浄(土壌除去)標準作業書、
要するに放射線測定をする際の野菜等の洗い方が定義されましたので、報告いたします。

厚生労働省のHPより。(PDFファイルです)
食品の放射性物質に関する検査における試料洗浄(土壌除去)標準作業書

簡単に洗い方を説明します。

・洗う前の前提行為:土壌の付着が多い場合、予め土壌を落とした後に試験室に搬入し、洗浄を実施する。
→これは、出来るだけ土を落としておいて、洗浄過程で確実に土を洗い流すためですね。

キノコ類(しいたけ):
水道水をしみこませたペーパータオルで表面を軽く拭き取る。

→事務連絡での手順2です。現時点ではキノコ類だけが手順2になっています。おそらく、キノコは吸水性が高いからだと思われます。

ほうれん草、キャベツ、トマトなど殆どの野菜:
水道水の流水下で、20 秒程度洗浄する。
その後、付着する水をペーパータオルにより軽く拭き取る。
→こちらが手順1です。このように定義されれば、全国どこの検査機関で洗っても同じような洗い方になると思われます。ペーパータオルってのは、たぶんキムタオル使うところ多いんだろうなぁ(笑)

というわけで、洗い方が確定しました。

今後、別添の表に区分されない野菜等が出てきたら・・・厚生労働省に問い合わせということになるのでしょうね。

おそらく検査機関にはすでに連絡が行っているとは思いますが、検査のこういう情報を一般に流すことも必要だと思うので今回の記事を書きました。

2011年4月19日 (火)

食品添加物公定書

そろそろ放射線関係ばかりではなくて、本来の記事も書いていきます。
(色々調べて書きましたが、私は放射線関係の専門ではないですから・・・)

食品添加物公定書・・・
食品添加物の話でも、ある意味もっともマニアックな箇所になりました。

食品衛生関係者でも、存在は知っていても詳しく知っている人は多くないと思います。

公定書は、食品衛生法でもわざわざ章が設けられているものなのです。

食品衛生法より

 第五章 食品添加物公定書
第二十一条  厚生労働大臣及び内閣総理大臣は、食品添加物公定書を作成し、第十一条第一項の規定により基準又は規格が定められた添加物及び第十九条第一項の規定により基準が定められた添加物につき当該基準及び規格を収載するものとする。

公定書が作製されるようになった件は知っている方も多いでしょうが・・・
ヒ素ミルク事件がきっかけです。

粉ミルクの製造過程で用いられた添加物・工業用の第二燐酸ソーダに、不純物として砒素が含まれていたため、これを飲んだ1万3千名もの乳児がヒ素中毒になったものです。

痛ましい事件でありますが、これをきっかけに食品添加物に質の高さも求められるようになりました。

食品添加物の成分規格や基準類をまとめたものが、「食品添加物公定書」といい、現在、第8版です。

どんな中身かというと・・・

・食品添加物公定書沿革略記
・まえがき
・通則
・一般試験法
・試薬・試液等
・成分規格・保存基準各条
・製造基準
・使用基準
・表示基準
・付録(原子量表)

このうち、通則、一般試験法、、試薬・試液等、成分規格・保存基準各条、製造基準、使用基準は食品衛生小六法にも掲載されています。

蛇足ですが、エビの食品分析の基礎は、これで学習したようなものです。

・分光光度計やHPLC、GCに始まり原子吸光計、旋光度計、融点測定装置、カールフィッシャー滴定装置などの各種分析機器の使い方とか、
・添加物には味を見る試験があるとか
・フッ化水素酸が危険で、ガラスを溶かすとか
・公定書の中でエタノールといえば、エタノール(95)(要するに95%エタノール)のことだとか

・・・色々マニアックなところをあげましたが(^◇^;)、
基本的な内容は日本薬局方に類似しています。

個人的にさらにいえば、もっと様々な詳しい説明がある食品添加物公定書解説書がバイブルのようなものでした(笑)

で、ここでポイントとなるのが「成分規格」。
成分規格があるということは、品質がきちんと担保されていると考えていいものです。

基本的な検査項目は・・・

・性状:添加物の形状や色、臭い、物によっては味などが記載されています。で、臭いや味は実際に五感で確かめます。

・確認試験:化合物によって特徴的な反応があるので、それを利用して検査します。
グルタミン酸ナトリウムでいえば、以下の二つになります。
アミノ酸の検出反応であるニンヒドリン反応
ナトリウム塩の定性反応として、①炎色反応②ピロアンチモン酸水素カリウム試液を加えると白色沈殿を生じる

・純度試験:文字通り純度を計る試験です。どちらかというと、不純物の有無を確かめる試験になります。なお、ヒ素と重金属の試験はどんな添加物にもあります。

・定量、色価など:添加物が規格に則り、100%前後あることを確認する試験です。今でも滴定とかで検査します。また、天然由来の色素は、色素成分だけで構成されていないものもあるので、色価という別の指標を使います。

食品添加物公定書に掲載されている添加物は、
現時点では507+2+2=511品目あるようです。
http://www.asama-chemical.co.jp/TENKAB/YUKAWA29.HTM

掲載されている添加物は、
・指定添加物すべて
・既存添加物99品目
・一般飲食物添加物の1品目


最後に一言。

食品添加物公定書に掲載されている添加物が、現在の時点で安全性・品質が保証されているものといっていいと思います。

2011年4月 7日 (木)

チェルノブイリ関連の食品放射能検査

今回は福島の原発関係ではないお話を。


食品中の放射能測定は、実は今までも行われています。

旧ソ連原子力発電所事故に係る輸入食品の監視指導について 
(おそらく最新バージョン)

・・・ま、いわゆるチェルノブイリ事故に関連して行われているものです。

きのことか
トナカイ肉とか
ハーブとか
ベリー類とか

を検査しています。

で、暫定限度が370 Bq/Kg(セシウム134及びセシウム137の合計値)

・・・これについての扱い、どうも変わっていないみたいです。

一方、東日本大震災以降に設定された、
放射性セシウムに関する暫定規制値は500Bq/Kg

非常時で暫定的であるとはいえ、日本で規制値が出来たのですから・・・・
輸入製品の暫定限度と、暫定規制値が異なるってのはなんか違和感覚えます。

今後、通知が出て見つけたら、続報UPします。

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